今回ご紹介するお客様は、2019年3月に千葉県船橋市に開設された地域密着型の眼科クリニック「なつみだい眼科様」です。一般眼科診療はもとより、2019年9月には先進医療認定施設の認定を受け多焦点眼内レンズを用いた白内障手術や網膜硝子体手術などの専門的な治療が受けられるクリニックとして地域医療を支えています。お話を伺ったのは同クリニック院長を務める兒玉章宏先生。開業までのプロセスや患者様を第一に考えた診療に対する熱い思いを伺いました。

開業のきっかけは?

私は、元々は自衛隊にいました。日本という国、日本に住んでいる人たちのために貢献したいという気持ちがあり、医師として地域の為に貢献できるところはどこかとずっと探していました。開業準備の最初の頃は、自分も不勉強なところがあり、なかなかうまくいかず、煮詰まってきたところに日医リースさんとの出会いがありました。日医リースさんとの出会いは、今のクリニックの場所に以前店舗を出されていた大手ドラッグストアチェーンさんと日医リースさんがお知り合いだったことがきっかけでした。建物もちょうどいい規模感で、周囲に競合となるクリニックもないことや高齢者が多い地域でもあるということで、うまくつながりました。船橋という地域は特殊な土地柄で、白内障手術をする他院さんはいくつか他にありますが、網膜硝子体手術までするところは全然ありませんでしたので、これはうまくいくんじゃないかと思いました。

勤務医時代はどのように過ごされましたか?

自衛隊を退職した後は眼科の開業医の先生の元で2年近くお世話になりました。そこでは、その当時は自分も技術がなかったこともありますが、あまり難しい症例に携わることができませんでした。自分自身、院長先生のコントロールの中だけで勤務をしていて、果たしてこのままでいいのか?と自問するところがあり、自分がより成長するため次のフィールドとして行定病院に4年間お世話になりました。行定病院では、院長が決めるスタイルではなく、自分で全て決める、いわば自己責任のスタイルでした。そのため、何かあっても全て自分で対処しないといけないので、かなり鍛えられました。手術も毎回すごく緊張していたのをよく覚えています。行定病院は防衛医大の先生も多くいますので、当時の先生方とのつながりは今でも続いています。

以前の勤務先とのつながりを大事にされているんですね

そうですね。当クリニックの内覧会にも来てくれましたし、私自身も行定病院に週1回外来診療をしに行っています。今は手術も当クリニックのスタッフのみで対応できるようになりましたが、開設当初は看護師などのスタッフは手術のことが全くわからない状態だったので、手術の導入の時には行定病院から3名の方が毎週入れ替わりで2ヶ月間ほど教えに来てくれました。100kmぐらい離れた場所から毎週です。開業当初にそういった以前の職場の方々のサポートを受けることができたことは、クリニック運営を軌道に乗せるために非常に大きかったです。本当に感謝をしてもしきれません。私の実体験から言えることは、もし開業をお考えの方がいらっしゃいましたら、特に手術などのやり方をスタッフに教えてくれる方々の存在は非常に大きいので、以前の職場に近いところで開業されるのも1つではないかと思います。

現在取り組まれている医療の特徴は?

特徴は1つです。「患者様に喜んで帰ってもらうこと」それが全てです。そのため、開業当初からスタッフには「笑顔で接しましょう」と言ってきました。なるべく笑顔でいることを続ければ、患者様にもそれが伝わり、例えば結果的に手術をしても視力が思ったよりよくならなかった時でも幸せな気持ちになって帰ってもらえると思っています。お年寄りの方々に対して手術をしてよくすること、目薬を出してよくすることは当たり前だと思っていますが、そういった中で、患者様は安心感を求めて来院される部分もあると思っています。確かに治療をしても治らない病気というのもありますが、そういった患者様に対しても話を聞くことによって、少しでも気持ちが楽になっていただければと思っています。
スタッフの採用の際も、開業当初からのコンセプトである「患者様に喜んで帰ってもらうこと」に共感してくれる人を採用の基準としています。スタッフに関しては、開業から半年ほど経ちましたが今のところ1人も辞めていません。スタッフが働きやすいと思ってくれる職場環境をつくれていることがそれにつながっていると思います。

開業準備の際に一番苦労したことは?

私自身が苦労したことと言うと、開業予定地と自分の家が遠すぎたということくらいです。その他は全部日医リースさんにお任せしていたので、道先案内人のようにやるべきことを照らしてくれて何から何まで全部やってくれたので、非常に頼もしかったです。日医リースさんのように信頼できて全てお任せできるパートナーと関係を築けたことが開業の成功の鍵だったと思います。最初は、建築や銀行の融資の話など今まで医療業界にいた自分としては何がいくらぐらいするのか、お金の流れなどは全く分からなかったので、億単位で動くお金の流れに怖くなったこともありました。それを日医リースさんが1つ1つ丁寧に説明してくださり、安心して進めることができました。クリニック開業は、確証がないぼんやりした中で踏み出さないといけない部分もあるので、日医リースさんから例えば「ポテンシャルとしてこの地域ではこれぐらいが相場である」「1人あたりの診療単価」「この規模での1日の患者数は何人ぐらい見込むのか」など、具体的なアドバイスを受けて動くことができたのは非常に大きかったです。

開業後、一番苦労したことは?

開業後のトラブルとしては、慣れていなかったこともあり、会計のミスがかなり多かったことと、開業後のバタバタの時に物品があまり揃っていなかったことです。物品に関しては、例えばコンタクトをどこのメーカーと契約するかまだ決まっていなかった状態の中で患者様にコンタクトを売ってしまったことがあり、実際に来院された時に前回のコンタクトがなかったといったことがありました。販促品として掲示しているものと実際に売っている商品が違うなんてこともありました。
後は、最初は全員初診の方ばかりなので、待ち時間が長かったことです。待ち時間に関してクレームになったことはありませんが、待ち時間表示システムの赤(待ち時間45分の人)を極力減らしていこうと努力しました。

日医リースがお役に立てたことは?

全てです。日医リースさんは医師と一緒に未来を描いて、成長させていく、いわば指揮官のような存在です。私自身も陸上自衛隊にいましたので、クリニック経営は「戦車」とよく似ていると思っています。戦車は3人乗りで、戦車長という進むべき方向を指示命令する役割がいて、それが日医リースさんです。そして砲手という大砲を打つ人がいて、それが私です。砲手が狙った患者様にちゃんと命中させる役割をします。そして、運転手はクリニックのスタッフです。この3人全員が団結してそれぞれの役割の中で優れた能力を発揮する必要があり、戦車長だけが優れていてもダメで、砲手と運転手も優れていなければもちろん勝てません。砲手だけ優れていても、戦車長が明後日の方向を指示していては全く命中しません。私自身は本当は砲手から戦車長になりたいと思っていますがまだなりきれていない状態です。ただ、医師というのは自分の手術の技術、すなわち大砲のことしかわかりません。そんな中で日医リースさんが戦車長として入ってくれたことで、自分自身の潜在能力に気付かせてくれました。その人その人それぞれに役割があるので誰一人として欠けてもうまくいかなかったと思います。そういった中でやはり大事なのは、日医リースさんのようなよくわかっている専門家が最初は1人いないとうまくいかないということです。医師は医療のプロですが、経営のプロではありませんので、そこを素直に色々なプロの意見を取り入れて自分の中に取り込んでいくことが大事だと思います。

これから開業を考えている方へのアドバイスをお願いします

アドバイスできるような立場ではないので大変恐縮ですが、誠心誠意やるということだと思います。真剣に1つ1つやるということだと思います。心を込めてやれば人はついてくると思います。嘘・偽り・まやかしは患者様もスタッフも必ず気付くと思います。ですので、やっていることと言動が不一致にならないようにすることが大事だと思います。今後の高齢化社会を考えた時に小手先で何かをするというのは難しいと思いますので、地域の方々や患者様に寄り添ったクリニックであり続けたいと思っています。

Information

なつみだい眼科
住所:〒273-0866 千葉県船橋市夏見台1-18-7 1F
WEB:https://natsumidai.com/